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2021年4月20日
組合長の東西80K南北56K 【3Kと3密】
林業はよく「3Kの職業」と言われます。つまり「きつい、汚い、危険な職業」という意味で、数ある職業の中でもあまり好かれない職業の一つのようです。
確かに、20年も経験してきた私でも、そのことを全面的に否定をしませんが、今度のコロナ問題に直面して、つくづく考えさせられることがありました。それはコロナ問題で数多くの職業が大きな打撃を受けましたが、他と比べて林業の受けた打撃が少なかったことです。木材の価格が一時的に下がったことなどがありましたが、休業することもなく、解雇することもなかったのはまさに3Kのおかげとも言えます。
元々林業の作業は、植林では苗木一本一本を2mくらい離して植えます、下草刈りは数m以上離れて作業をせざるを得ません。そして木を伐倒するときにはそれこそ何十mも離れて仕事をしますから、3密などになるわけがありません。車での移動やお昼時さえ気を付ければ、病原菌のない大自然の中で、コロナの心配なく働くことができます。
いま、林業の作業も年々改良され、コンテナ苗による植え付けで省力化、高性能機械の導入で効率的かつ安全な伐採などが進み、下草刈り作業の改善がされればいずれは3Kの職業でなくなるのではないでしょうか。
そしてコロナ問題や地球温暖化の問題に直面してさらに確信することは、森林や林業の持つ重要性であり、やがては林野庁が唱える「林業の成長産業化」も夢ではないかもしれません。