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2023年6月19日

組合長の東西80K南北56K 【政府がついに花粉症対策へ乗り出す】

  何とも言えないタイミングです。私が3月17日にこのブログで「花粉症と林業」について述べましたが、4月3日に突然岸田首相が国会で「花粉症は我が国の社会問題と認識している」と発言し、関係閣僚に対策を指示しました。この発言には私ばかりか農水大臣さえも慌てた様子で、いかに突然だったかを示しております。

  とは言え今年の異常な花粉の飛散をみれば、誰しもが支持できる案件で、遅すぎたとも言えます。ともあれ早くも5月30日には「30年後には花粉の発生量を半減し、そのためにスギの人工林の伐採を年間5万ヘクタールから7万ヘクタールに拡大し、10年後にスギの面積を2割減らす。かつ苗木の9割以上を少花粉苗とする」という指針が出され、今後さらにスギ材の活用方法など煮詰めていくとのことです。

  これまで花粉症対策と言えば、マスクの着用や、薬の開発など対処療法的対応が主であり、発生源の対策に踏み込んだのはほぼ初めてであり、いつもの突然の発言とは言え、原発の再稼働とは違い評価できるものです。

  しかしながら、現状において皆伐してその後地拵え、少花粉苗の植え付け、5年程度の下刈りなどには、200万円程度の経費がかかり、現在の木材価格と補助金制度ではまかなえず、所有者は赤字となり、政府の思惑通りには進みません。そこで、どうしても必要になってくるのが、新たな補助金制度です。まだ国は明確にしてませんが、今後の対応を注視していかねばなりません。

  今回の突然の首相の発言について、実はこの発言の約1ヶ月前に、私はある政権に近い有力な国会議員と、林業の盛んなある町を回った時、昼食を食べながら「これからの林業の課題は、戦後国策によって植えられたスギ、ヒノキを皆伐し、その後再造林するが少花粉苗とし、国民が困っている花粉症対策と、地球温暖化対策に寄与することです。ただ、これには国の支援がどうしても必要です。」と話しました。その時議員は頷くだけでしたが、私としては少しは今回の首相の発言のきっかけになったかと、勝手に思っております。こうご期待です。