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2022年8月31日

組合長の東西80K南北56K 【マスコミと林業】

  ここ数ヶ月の間に、マスコミの取材を受けることが何度かありました。行事中や特集記事の場合もありましたが、めずらしいことでした。特に6月の岸田首相の視察には驚きました。葛尾村に来たついでということもあるのでしょうが、首相が林業の現場を視察すること自体まれなことで、あの原発事故からの復興事業もそろそろ最終段階に入ってきたのかなと感じさせられました。

  また同じ6月には、あるテレビ局が県の林業アカデミーの発足に関連した特集を組むという事で、その取材に協力しました。約3時間あまり組合の作業現場を取材して行きましたが、テレビで放送された映像は5分程度でした。まあ、テレビ局側も番組を構成しなければならず仕方のないことですが、私が主張した発言をもっと取り入れて欲しかった思いもあります。

  さて8月26日には、ある新聞社の特集企画として、「広葉樹林再生事業」の取材と、都路事業所で活躍する女性作業員の姿を取材したいとのことで、受けることにしました。当日は中堅の記者が基本的な質問をして、私や所長などが答えていきました。私たちにとって特に難しい質問ではなかったのですが、途中で「ところで林業は木を植えてからお金になるのに何十年もかかるわけですが、その間皆さんどのような気持ちで携わっているのですか?」と問われ、思ってもいない質問に私たちは一瞬戸惑ってしまいました。

  少し間をおいて私が「昔から、先祖が植えたものを切ったら植えて返すのが当たり前の感覚です。」とは答えましたが、一般の人からすれば不思議な仕事なのでしょう。ただ、「毎日広大な面積で、かつ何代にも分かれた木を扱っているのが普通だから、あまり疑問に思わない・・・」とも答えるべきだったかとも思います。

  ここ一連のマスコミとの関わりで感じるのは、一般の人にとって林業や森林組合は、まさに縁遠い存在だという事です。国土の3分の2を占める広大で、膨大なこの国の資源である森林をこれまで以上に利用する機運を高めるためには、より一層マスメディアでアピールしていく必要があると感じました。